なぜ君はあのような美しい日を約束して
僕に外套なしで旅をさせておきながら
卑しい雲が僕の道中を襲って
汚れた煙で君の威光を隠すことを許したのか。
君が雲間から顔を出したくらいで
嵐に打たれた僕の顔の雨水は乾かない。
傷を治して傷跡を消さないような
軟膏を褒める人はいないのだ。
君の恥は僕の悲しみの薬にはならない。
君が悔いても僕の喪失は埋まらない。
傷つけた者の悲しみも救いとしては弱いのだ
深い傷を十字架として背負った者には。
ああ!だが君の愛が流す涙は高価な真珠であり
全ての悪事を購う保釈金になるのだ。
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Open Source Shakespeare|Sonnet 34