2022年8月23日

英詩和訳|シェイクスピア『ソネット集』第34歌


なぜ君はあのような美しい日を約束して

僕に外套なしで旅をさせておきながら

卑しい雲が僕の道中を襲って

汚れた煙で君の威光を隠すことを許したのか。

君が雲間から顔を出したくらいで

嵐に打たれた僕の顔の雨水は乾かない。

傷を治して傷跡を消さないような

軟膏を褒める人はいないのだ。

君の恥は僕の悲しみの薬にはならない。

君が悔いても僕の喪失は埋まらない。

傷つけた者の悲しみも救いとしては弱いのだ

深い傷を十字架として背負った者には。

ああ!だが君の愛が流す涙は高価な真珠であり

全ての悪事を購う保釈金になるのだ。


▶パブリック・ドメインの原文はこちらから

Open Source Shakespeare|Sonnet 34


今週の人気記事