2022年8月16日

英詩和訳|シェイクスピア『ソネット集』第29歌


幸運にも人々の目にも見放され

僕は独り宿無しの身に涙を流し

耳の聞こえない天を無益な泣き声で煩わしては

自分を見つめてその宿命を呪う。

希望に満ちた人のようになりたいと願い

容姿淡麗な人や友人を持つ人のようになりたいと願い

この人の技術が欲しい、あの人の能力が欲しいと望み

自分の大いに恵まれたところには少しも満足しない。

こうした考えの中で自分を軽蔑しかけても

ふと君のことを思えば、僕の気持ちは

夜明けの雲雀のように

陰鬱な地上を離れ、天上の門で賛美歌を歌い出す。

君の麗しい愛の思い出がこれほどの富をもたらすなら

国王と身分を取り替えるのもお断りだ。


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Open Source Shakespeare|Sonnet 29


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