僕の愛の主人よ、臣下としての
僕の忠義は君の価値に強く結ばれている。
君に遣わすこの文字に書かれた大使がすることは
忠義の証言であり、僕の機知の誇示ではない。
僕の貧相な機知は重大な忠義を赤裸々に明かすだけで
機知を誇示できるほどの言葉を持っていない。
それでも僕は期待しているのだ、察しの良い君が
その魂の奥で丸裸の忠義を労ってくれることを。
いつか僕の行く末を導く星が
綺麗な相をもって僕を慈悲深く照らし
襤褸を纏った僕の愛の衣装を整え
僕を君の麗しい価値に見合う姿にしてくれたら
その時は堂々とどれほど君を愛しているかを高言しよう。
それまでは君に試されても兜を脱がずにいよう。
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Open Source Shakespeare|Sonnet 26