2022年8月13日

英詩和訳|シェイクスピア『ソネット集』第26歌


僕の愛の主人よ、臣下としての

僕の忠義は君の価値に強く結ばれている。

君に遣わすこの文字に書かれた大使がすることは

忠義の証言であり、僕の機知の誇示ではない。

僕の貧相な機知は重大な忠義を赤裸々に明かすだけで

機知を誇示できるほどの言葉を持っていない。

それでも僕は期待しているのだ、察しの良い君が

その魂の奥で丸裸の忠義を労ってくれることを。

いつか僕の行く末を導く星が

綺麗な相をもって僕を慈悲深く照らし

襤褸を纏った僕の愛の衣装を整え

僕を君の麗しい価値に見合う姿にしてくれたら

その時は堂々とどれほど君を愛しているかを高言しよう。

それまでは君に試されても兜を脱がずにいよう。


▶パブリック・ドメインの原文はこちらから

Open Source Shakespeare|Sonnet 26


今週の人気記事