2022年8月1日

音楽史メモ|フランス(1)中世音楽

【作曲家と楽派】

▶アダン・ド・ラ・アル
 Adam de la Halle (1245-1288)
・オー=ド=フランスのアラス出身。
・宮廷詩人・宮廷音楽家としてアルトワ伯に仕えた。
・近世の喜歌劇に先駆けて世俗的な音楽劇を書いた。

▶ノートルダム楽派
 Notore-Dame school / Parisian school (12-13th Century)
・新首都パリに建設されたノートルダム大聖堂を拠点とした楽派。
・レオニヌスとペロティヌスの二人の名前のみが知られている。
・オルガヌムを発展させた。
・音価の三分割を基本とするリズム・モードを確立した。
・次の世代からはアルス・アンティクア(古技法)と呼ばれた。

▶フィリップ・ド・ヴィトリ
 Philippe de Vitry (1291-1361)
・イル=ド=フランスのパリ出身。
・王室に仕えて政務を行う一方で、詩人や音楽家としても名を馳せた。
・1320年頃に『アルス・ノヴァ』(新技法)を出版した。
・音価の二分割を許容した記譜法をアルス・ノヴァとして提唱した。

▶ギョーム・ド・マショー
 Guillaume de Machaut (1300-1377)
・グラン・テストのランス周辺(おそらくマショー)出身。
・ボヘミア王室に秘書として仕え、ランス大聖堂の参事も務めた。
・アルス・ノヴァの代表者であり、イソリズムの手法を活用した。
・「ノートルダム・ミサ曲」は史上初の通作ミサである。
・自作の詩を含めた世俗の詩による独唱曲やモテットも残している。


【音源】

▶アダン・ド・ラ・アル:ロバンとマリオンの駆け引き
 Le Jeu de Robin et Marion
・カタログ情報
 Arion Music (3325480681622)
・主な演奏者
 アンサンブル・ペルスヴァル
 グイ・ロベール(指揮)

▶フランスのアルス・アンティクア──14世紀と15世紀初頭
 The French Ars Antiqua: The 14th & Early 15th Century
・カタログ情報
 Lyrichord Early Music (LEMS8007)
・主な演奏者
 ラッセル・オバーリン(カウンター・テナー)
 チャールズ・ブレスラー(テノール)
 ロバート・プライス(テノール)
 ゴードン・マイヤーズ(バリトン)
 マーサ・ブラックマン(ヴィオール)

▶フィリップ・ド・ヴィトリとアルス・ノヴァ──14世紀のモテット
 Philippe de Vitry and the Ars Nova: 14th-century motets
・カタログ情報
 Amon Ra (CDSAR49)
・主な演奏者
 オルランド・コンソート

▶マショー:ノートルダム・ミサ曲/「真実の物語」からの組曲
 Le Masse de Nostre Dame / Songs from Le Voir Dit
・カタログ情報
 Naxos (8.553833)
・主な演奏者
 オックスフォード・カメラータ
 ジェレミー・サマリー(指揮)

▶マショー:情けか死か──愛のシャンソンとモテット集
 Mercy ou Mort: Chansons & Motets d'Amour
・カタログ情報
 Arcana (A305)
・主な演奏者
 フェラーラ・アンサンブル
 クロフォード・ヤング(指揮)

▶マショー:モテット集
 Motets
・カタログ情報
 ECM Records (00028947240228)
・主な演奏者
 ヒリヤード・アンサンブル

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