2022年8月11日

英詩和訳|シェイクスピア『ソネット集』第25歌

 

星々の寵愛を受けている人々には

公の名誉と見事な称号を誇らせておこう。

僕にはそうした勝利の運命も邪魔になる。

僕は自分が一番名誉に思うものを人知れず喜ぶのだ。

偉大な王侯の寵臣たちが綺麗な葉を茂らせる様子は

太陽の眼差しを受けるマリーゴールドに似ている。

その誉れを自分自身の内に埋めたまま

栄光の最中にあっても一度の不興によって命を落とす。

苦痛に晒されて戦いで名を上げた戦士も

千の勝利の後に一度敗北しただけで

名誉の記録から跡形もなく消し去られ

他に成し遂げた仕事は全て忘れられてしまう。

それゆえ愛し愛されている僕は幸せなのだ

捨てることも捨てられることもないのだから。


▶パブリック・ドメインの原文はこちらから

Open Source Shakespeare|Sonnet 25


今週の人気記事