【作曲家と楽派】
▶フィンクルの聖ゴドリック
Godric of Finchale (c.1070-1170)
・ノーフォークのウォルポール出身。
・貿易商として成功したが、ダラムのフィンクルで隠者の道に入った。
・ダラムの教会や修道会の活動に携わる中で聖歌を制作した。
▶セイラム聖歌(ソールズベリー聖歌)
Sarum Chant / Salisbury Chant (1078-1547)
・ノルマン・コンクエスト後にソールズベリーで整備された典礼。
・国内随一の典礼様式として名高く、後世の多声音楽にも利用された。
・宗教改革に伴い廃止され、オックスフォード運動で復興が試みられた。
▶リオネル・パワー
Leonel Power (1370-1445)
・ケントのカンタベリー出身。
・クライストチャーチ小修道院の音楽関係の仕事を担っていた可能性がある。
・オールドホール写本に名前を連ねる主要作曲家の一人。
・後期にはシャンソンの影響を受け、高音に主旋律を置くようになった。
▶ジョン・ダンスタブル
John Dunstable (1385-1453)
・伝記的資料に乏しく、出身は不明。
・ベッドフォード侯爵に仕え、フランスへ随行した可能性がある。
・アルス・ノヴァの技法を継承し、イソリズムを採用した。
・三和音を活用する傾向は「イングランド風」と呼ばれて大陸に影響を与えた。
・数学と天文学にも長けていたと言われる。
【音源】
▶イングランドの中世歌曲──12世紀と13世紀
English Medieval Songs: The 12th & 13th Centuries
・カタログ情報
Lyrichord Early Music (LEMS8005)
・主な演奏者
ラッセル・オバーリン(カウンター・テナー)
シーモア・バラブ(ヴィオール)
▶セイラム聖歌──鶏鳴のミサ
Sarum Chant: Missa in Gallicantu
・カタログ情報
Gimell (CDGIM017)
・主な演奏者
タリス・スコラーズ
ピーター・フィリップス(指揮)
▶オールドホールの響き
Echoes of an Old Hall
・カタログ情報
Linn Records (CKD644)
・主な演奏者
ゴシック・ヴォイセズ
▶ダンスタブル:甘美なるハーモニー──ミサ曲とモテット集
Sweet Harmony: Masses and Motets
・カタログ情報
Naxos (8.557341)
・主な演奏者
トーヌス・ペレグリヌス
アンソニー・ピッツ(指揮)