2022年7月30日

音楽史メモ|イングランド(1)中世音楽

【作曲家と楽派

▶フィンクルの聖ゴドリック
 Godric of Finchale (c.1070-1170)
・ノーフォークのウォルポール出身。
・貿易商として成功したが、ダラムのフィンクルで隠者の道に入った。
・ダラムの教会や修道会の活動に携わる中で聖歌を制作した。

▶セイラム聖歌(ソールズベリー聖歌)
 Sarum Chant / Salisbury Chant (1078-1547)
・ノルマン・コンクエスト後にソールズベリーで整備された典礼。
・国内随一の典礼様式として名高く、後世の多声音楽にも利用された。
・宗教改革に伴い廃止され、オックスフォード運動で復興が試みられた。

▶リオネル・パワー
 Leonel Power (1370-1445)
・ケントのカンタベリー出身。
・クライストチャーチ小修道院の音楽関係の仕事を担っていた可能性がある。
・オールドホール写本に名前を連ねる主要作曲家の一人。
・後期にはシャンソンの影響を受け、高音に主旋律を置くようになった。

▶ジョン・ダンスタブル
 John Dunstable (1385-1453)
・伝記的資料に乏しく、出身は不明。
・ベッドフォード侯爵に仕え、フランスへ随行した可能性がある。
・アルス・ノヴァの技法を継承し、イソリズムを採用した。
・三和音を活用する傾向は「イングランド風」と呼ばれて大陸に影響を与えた。
・数学と天文学にも長けていたと言われる。

音源】

▶イングランドの中世歌曲──12世紀と13世紀
 English Medieval Songs: The 12th & 13th Centuries
・カタログ情報
 Lyrichord Early Music (LEMS8005)
・主な演奏者
 ラッセル・オバーリン(カウンター・テナー)
 シーモア・バラブ(ヴィオール)

▶セイラム聖歌──鶏鳴のミサ
 Sarum Chant: Missa in Gallicantu
・カタログ情報
 Gimell (CDGIM017)
・主な演奏者
 タリス・スコラーズ
 ピーター・フィリップス(指揮)

▶オールドホールの響き
 Echoes of an Old Hall
・カタログ情報
 Linn Records (CKD644)
・主な演奏者
 ゴシック・ヴォイセズ

▶ダンスタブル:甘美なるハーモニー──ミサ曲とモテット集
 Sweet Harmony: Masses and Motets
・カタログ情報
 Naxos (8.557341)
・主な演奏者
 トーヌス・ペレグリヌス
 アンソニー・ピッツ(指揮)

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