2022年7月22日

羅詩和訳|カトゥルス『詩集』第1歌


誰に贈ろうか、この素敵な新しい本を

乾いた軽石で磨いたばかりの小品を。

コルネリウス*、君に贈るよ。なぜなら君はよく

僕の戯れ言を一廉のものだと評価してくれたからだ。

あの頃は君こそ、ただ一人でイタリアの人々の

通史を三巻の書物*に描き出そうとしていたというのに。

あれはユピテルにかけて教養と勤勉を湛えた書物だ。

ここにあるものは何でも貰ってくれ、この本にあるなら

どんなものでも。そして庇護者の乙女*に願おう、

それが一つの世代を超えて残りますようにと。


*「コルネリウス」

同時代の作家コルネリウス・ネポスのこと。

*「三巻の書物」

ネポスの史書『年代記』のこと。散逸している。

*「庇護者の乙女」

技芸を司るミネルヴァのこと。


▶原文(パブリック・ドメイン)

Gutenberg|The Carmina of Caius Valerius Catullus by Gaius Valerius Catullus


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