2022年7月20日

英詩和訳|シェイクスピア『ソネット集』第4歌


愛らしい浪費家よ、なぜ君は

その美の遺産を一人で使ってしまうのか。

自然の家督は与えるものではなく貸すものであり

自然は惜しまない人にこそ惜しみなく貸すのだ。

それならば美しい吝嗇家よ、なぜ君は使い損ねるのか

与えるために与えられた大盤振る舞いの賜物を。

稼ぎの悪い金貸しよ、なぜ君は使ってしまうのか

一生かけても使い切れない巨万の富を。

君は自分一人としか取引をせず

麗しい君自身を自ら騙しているのだ。

君は自然に召されてこの世を去る時に

どれほど立派な帳簿を残せるというのか。

君の美は使われなければ君と共に墓に入るしかないが

使われるなら相続人の中で生き続けるだろう。


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