2022年7月25日

英詩和訳|シェイクスピア『ソネット集』第8歌

 

耳を奪う音楽よ、なぜ悲しそうに音楽を聞くのか。

麗しきは麗しきと争わず、喜びは喜びを楽しむものだ。

なぜ君は君の愛するものを喜ばずに受け取り

なぜ自分を悩ませるものを快く受け取るのか。

よく整えられた音からなる真実の協和が

婚姻を結んで君の耳を傷つけるのは

音が君のことを叱っているからだ

担当すべき声部を潰している独り身の君のことを。

一つの弦がもう一つの弦の麗しい夫となり

代わる代わるお互いを鳴らし合う様子を見てごらん。

弦たちは父親と子供と幸せな母親に似て

みなが一体になり、一つの快い音色を歌っている。

その言葉のない歌声は一つに思える多くの声で

君に歌っている、「君の一は無に等しい」と。


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Open Source Shakespeare|Sonnet 8


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