【作曲家】
▶アヤラ・アシェロフ
Ayala Asherov
・イスラエル出身の作曲家。
・俳優として活動した後、音楽活動のためにテルアビブのリモン音楽学校とボストンのバークリー音楽大学で学んだ。
・映画音楽やポップスからクラシックまで幅広く手掛けており、1994年にポップシンガーのオフラ・ハザに提供した「海辺で」(Le’Orech Hayam)という歌謡曲が有名らしい。
・2018年からイェルサレム音楽舞踏アカデミーで作曲を教えている。
【音源】
▶アヤラ・アシェロフ:時と時間──室内楽作品集
Ayala Asherov: Time and the Hour: Chamber Works
・カタログ情報
Navona (NV6439)
・主な演奏者
トレモノ・パーカッション・アンサンブル
エリ・ゴレンシュタイン(ヴォーカル)
ケレン・ハダー(ソプラノ)
タリ・ゴルトベルク(ヴァイオリン)
ナハル・エリアス(チェロ)
ヒッラ・エプシュタイン(チェロ)
レイチェル・エイラト(フルート)
イディット・シェマー(フルート)
ウズィ・シャレフ(ファゴット)
アロナ・ミルナー(ピアノ)
エイナト・ファブリカント(ピアノ)
ルシー・ゾーリ(ピアノ)
ハガイ・ヨダン(ピアノ)
マイケル・ゼルツィケル(ピアノ)
ジヴ・カプラン(スネアドラム)
アサフ・ロト(パーカッション)
▶メモ
・タイトルの通り「時の流れ」に関わりのある楽曲を集めたアルバム。
・冒頭に置かれた「四季」(Seasons)が良い。2010年の作品で、レーベル公式の紹介によれば、近代ヘブライ文学の大物ハイム・ナフマン・ビアリクの詩に着想を得て書かれた楽曲とのこと。色々調べてみると、マレー州立大学室内楽作曲コンクール受賞作品との情報も見かけたが、コンクールのウェブサイトの情報がないので詳細はよくわからない。フルートとチェロとピアノのトリオのための楽曲になっており、「夏の死」「秋」「冬」「春の足音」の四つの小品から構成されている。やや対位法的な雰囲気のある叙情的な楽曲。季節のタイトルからぱっと浮かぶイメージと少し違うような印象もあり、元のビアリクの詩も気になる一曲になっている(おそらく邦訳はない)。
・演奏では、「ただ神のみ」(Only God)の難しそうなソプラノを歌いこなすハダーの歌唱がなかなか強烈で印象に残る。
・同一の作曲家の室内楽作品集で、どの楽曲も同じような年代・場所で録音されている割には重複している演奏者が少なく、どういう集まりなのか少し気になる。