2022年12月2日

映画の感想|日本のホラー映画

古い順です。「別に見なくて良かった」と思ったものは省いてます。

『女優霊』(中田秀夫監督、1996年3月2日)
面白さ ★★☆☆☆
怖さ  ★☆☆☆☆
・映像は綺麗だが、映画制作現場を映した地味な画面が多い。
・起承転結がそこそこ綺麗。
・女優二人の演技(演技の演技)が良い。
・女優霊が画面の端々に映るのは心霊映像っぽくて良かった。
・少女が高笑いする場面はインパクトがあって良かった。
・女優霊をはっきり見せる場面は正直怖さ半減。
・少量の流血があるが、血糊が絵の具っぽくてむごくない。

『リング』(中田秀夫監督、1998年1月31日)
面白さ ★★★☆☆
怖さ  ★☆☆☆☆
・映像が綺麗。
・起承転結が綺麗。都市伝説の枠組みですっきり仕上がっている。
・貞子の出番は少なめ。明るい場所に出てくるので怖くない。
・人が死ぬ瞬間を映さないので暴力や流血が苦手な人も大丈夫。
・VHSやフィルムカメラ、公衆電話などの懐かい小物がエモい。
・おすすめ。

『呪怨』ビデオ版(清水崇監督、2000年2月11日)
面白さ ★★☆☆☆
怖さ  ★★★☆☆
・映像は全体的に安っぽい。
・起承転結はそこそこ。呪いの連鎖が主で、次回作まで完結しない。
・演技はそこそこ。
・俊雄や伽椰子は怖くないが、恐怖演出のアイディアは怖めで良い。
・呪いの内容だけでなく、背景の人間模様が陰鬱で良い。
・短時間で人が死ぬ。死ぬ瞬間は映らないが流血あり。

『呪怨2』ビデオ版(清水崇監督、2000年3月25日)
面白さ ★★☆☆☆
怖さ  ★★★☆☆
・映像は第一作と同じく安っぽい。
・序盤30分は第一作と同じ。
・演技はそこそこ。
・俊雄や伽椰子は相変わらず怖くないが、一部怖めの演出もある。
・短時間で人が死ぬ。死ぬ瞬間はあまり映らない。暴力あり。

『アナザヘヴン』(飯田譲治監督、2000年4月29日)
面白さ ★★★★☆
怖さ  ★★☆☆☆
・映像はそこそこ綺麗。水や炎のCGが綺麗。
・3カメ、手ブレ、スローなどの撮影技法はあまり上手くいっていない。
・起承転結はそこそこ綺麗。火災のクライマックスがよく映える。
・暴力や流血は結構ある。
・おすすめ。

『仄暗い水の底から』(中田秀夫監督、2002年1月19日)
面白さ ★★★★★
怖さ  ★★☆☆☆
・映像が綺麗。「水の映画」という印象が深く残る。
・起承転結が綺麗。エンドロールまでで終わってたら完璧だった。
・三通りの「母と娘」の関係性が重なって展開するのが素晴らしい。
・クライマックスの高揚とエンドロールの静けさの余韻が素晴らしい。
・だからこそ安っぽいジャンプスケアの後日談が蛇足すぎて玉に瑕。
・幽霊の映し方は間接的。
・流血や暴力の描写はない。
・おすすめ。

『呪怨』劇場版(清水崇監督、2003年1月25日)
面白さ ★☆☆☆☆
怖さ  ★★☆☆☆
・ビデオ版より映像の質感も画面も綺麗になった。
・映像や流れが綺麗になった分、ビデオ版特有の怖さは薄らいでいる。
・起承転結はない。次々に犠牲者がでるが、真相は解明されない。
・演技もビデオ版より良い。
・恐怖演出はビデオ版とほとんど重ならない。
・ビデオ版も怖い演出があったが、劇場版は布団の場面などが良い。
・俊雄と伽椰子は相変わらず怖くない。
・死の瞬間は映らず、登場人物の生存時間もビデオ版より長め。
・暴力はないが、やや流血の描写あり。

『着信アリ』(三池崇史監督、2004年1月17日)
面白さ ★★★☆☆
怖さ  ★★★★☆
・映像はきれいめ。CGや特殊メイクも悪くない。
・少し展開が複雑だが起承転結は綺麗め。
・腐敗した死体が動く場面は微妙だが、全体的に恐怖演出が良い。
・妹の霊が登場して空が云々言うシーンは拍子抜けした。
・苦しませて死ぬという設定のため流血と暴力あり。

『ノロイ』(白石晃士監督、2005年8月20日)
面白さ ★★★★☆
怖さ  ★★★☆☆
・映像はモキュメンタリーなのでそこそこ。
・古めかしい祟りとモダンなオカルトの交錯が良い。
・ヤバい登場人物のリアリティが凄い。探したら本当にいそう。
・良い意味で俳優らしくない演技が見られる。
・起承転結は綺麗。
・ファウンド・フッテージ自体の現実感や没入感はやや薄め。
・CGは安っぽいが、登場人物が恐い雰囲気をよく醸成している。
・若干の暴力と流血あり。
・おすすめ。

『オカルト』(白石晃士監督、2009年3月21日)
面白さ ★★★★☆
怖さ  ★☆☆☆☆
・映像はモキュメンタリーなのでそこそこ。CGが安っぽい。
・様々なオカルト要素が登場するが、割と混沌としている。
・起承転結はそれほど綺麗ではないというか捻られている。
・ネカフェ難民役の宇野祥平さんの怪演が見られる。
・唐突始まる江野と白石の青春友情物語が非常に良い。
・この友情物語のせいでホラーとしては怪作の類になっている。
・最後のCGは残念だけど、インタビュー曰く意図的なものらしい。

『残穢 住んではいけない部屋』(中村義洋監督、2016年1月30日)
面白さ ★★★★★
怖さ  ★☆☆☆☆
・映像が綺麗だが、CGが安っぽい。
・穢れの歴史を調べるミステリーとして非常に楽しめる。
・物語の筋は綺麗だが、最後の畳み掛けは好みが分かれそう。
・主人公二人の演技が素晴らしい。特に竹内結子さんは雰囲気がある。
・暴力や流血はほとんどない。
・おすすめ。

『血を吸う粘土』(梅沢壮一監督、2017年8月19日)
面白さ ★★★☆☆
怖さ  ★☆☆☆☆
・映像が綺麗。粘土のストップモーションや造形美術が非常に良い。
・逆に言えば、CG好きな人には合わないかもしれない。
・起承転結が綺麗。最後の東京侵略のイメージは一周回って良い。
・美術教育における都会/地方の因縁が作る陰鬱な雰囲気が良い。
・『遊星からの物体X』のインスピレーションが大きかったらしい。
・若干の暴力と流血あり。

『来る』(中島哲也監督、2018年12月7日)
面白さ ★★★★★
怖さ  ★★☆☆☆
・映像が綺麗。
・起承転結がきれい。物語の解釈が二転三転する見事な三部構成。
・「不完全な人間たち」というモチーフが一貫していて凄く良い。
・第一部終盤で怪異が攻めてくる手法が完璧。
・基本を外した民俗学者の使い方が良い。
・お祭り騒ぎの鎮魂場面は盛り上がるが、一部CG感が強くて玉に瑕。
・暴力は少なめだが流血は多め。
・おすすめ。

『樹海村』(清水崇監督、2021年2月5日)
面白さ ★★☆☆☆
怖さ  ★☆☆☆☆
・映像の色彩や構図が非常に綺麗。
・導入の俯瞰映像への移行など映像面での挑戦が見られて良い。
・樹木の破片が変容する場面のCGも綺麗だった。
・現代舞踊をする幽霊の群れは動きは良いけど恐怖が全くない。
・オフ会グループはコミック・リリーフとはいえ雰囲気が結構崩れる。
・『犬鳴村』ほどではないが恐怖要素がやや詰め込まれ過ぎている。
・「恐怖の村」シリーズをつなげるための少年の登場シーンはくどい。
・流血あり。

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